2026/06/08 00:29

湿が深まり、巡りを整える季節
6月6日は、二十四節気の「芒種」です。
次の二十四節気「夏至」までの、約15日間を指します。
芒種とは、稲や麦などの「芒(のぎ)」と呼ばれる、とげのある植物の種をまく頃という意味だそうです。
田植えの季節にあたりますね。
自然界では、草木がぐんぐんと育ち、田畑には水が入り、命のエネルギーが大きく動き始める時季です。
その一方で、梅雨も目の前となり、「湿」もピークに達してくる頃でもあります。
この「湿」は、自然界の生命を育てるためには、もちろん必要なものです。
雨が降り、大地が潤い、植物が育つ。
湿り気があるからこそ、命は伸びていきます。
けれど、それが過剰になったり、勢いが強すぎる場合には、体にとっては対処しきれない「湿邪」となり、不調を起こす原因となってしまいます。
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中医学で考える「湿邪」と巡りの停滞
中医学では、体を構成する大切な成分として、
気・血・津液
という考え方があります。
気は、体を動かすエネルギー。
血は、体に栄養を届けるもの。
津液は、体に必要な潤いです。
湿が過剰になると、この気・血・津液の巡りが悪くなり、体のあちこちに停滞しやすくなります。
その結果、
・体が重だるい
・浮腫む
・食欲が出ない
・胃腸がすっきりしない
・気分が晴れない
・やる気が出にくい
といった不調が起こりやすくなります。
湿は、下にたまりやすく、重く、まとわりつくような性質があります。
そのため、体も心もすっきりせず、なんとなく重たい感覚が出やすくなるのです。
また、湿は「気」の働きを抑えてしまうことがあります。
そのため、本来の気が足りないわけではなくても、まるで「気虚」のように、強い倦怠感が出ることもあります。
しっかり寝ているのに疲れが取れない。
体が重くて動き出せない。
気持ちまで沈みやすい。
そんな時は、季節の湿の影響を受けているのかもしれません。
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夏に向かう前に整えておきたいこと
芒種を過ぎると、季節は本格的に夏へ向かっていきます。
このまま湿を体にため込んだ状態で夏を迎えると、今度は「暑邪」と結びつき、さらに大きな不調へとつながることがあります。
湿と暑さが重なると、体に熱がこもりやすくなり、だるさや食欲不振だけでなく、熱中症のような不調にもつながりやすくなります。
だからこそ、梅雨入り前後のこの時季は、
「湿をため込まない体づくり」
がとても大切です。
無理に頑張りすぎるのではなく、巡らせること。
冷たいものを摂りすぎず、胃腸を守ること。
汗や尿として、余分な湿を外に出せる体に整えておくこと。
それが、夏を元気に過ごすための準備になります。
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芒種の食養生
この時季の食養生では、
利湿・健脾・行気
を意識してみましょう。
利湿
体にたまった余分な湿を外へ出しやすくすること。
健脾
胃腸の働きを整え、食べたものをしっかり力に変えられるようにすること。
行気
気の巡りをよくし、湿や滞りをため込まないようにすること。
おすすめの食材としては、
・ハト麦
・キュウリ
・山芋
・紫蘇
・生姜
などがあります。
ハト麦やキュウリは、余分な湿をさばく助けに。
山芋は、胃腸を支え、体の土台を整える食材として。
紫蘇や生姜は、香りと温かさで気の巡りを助けてくれます。
湿が多い時季は、つい冷たいものや水分を多く摂りたくなりますが、胃腸が弱っている時に冷たいものを摂りすぎると、さらに湿をため込みやすくなることもあります。
「冷やしすぎない」
「胃腸にやさしく」
「香りのあるものを少し取り入れる」
そんな小さな工夫も、立派な養生です。
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芒種は、自然界のエネルギーがぐんぐん育つ季節です。
その力強さの中で、私たちの体もまた、湿や暑さの影響を受けながら、夏へ向かって準備をしています。
体が重い。
浮腫みやすい。
食欲が落ちる。
気持ちが晴れない。
そんな小さなサインに気づいたら、湿をため込まず、巡りを整える合図かもしれません。
本格的な夏を迎える前に、利湿・健脾・行気の養生を意識しながら、体の内側をやさしく整えていきましょう。
*本コラムは中医学の考え方に基づく養生のご紹介であり、診断や治療を目的としたものではありません。

